2回国際オペラコンクール in Shizuoka ガラ・コンサート出演歌手の皆さんとの共演
('99.11.5 浜松アクトシティ/ホテル・オークラ内レストランでの打ち上げにて)

静岡オペラコンクールでは本選出場者のアリア演奏を新星日響と共に伴奏するという大役を仰せつかったが、その本選2日前にガラコンサートがあり、このスナップはそこで演奏された歌手の皆さんとの終演後の楽しいひと時の様子である。
  このコンサートはそれぞれ皆さんがアリアや二重唱を前半お歌いになって、後半はプッチーニの歌劇「蝶々夫人」第2幕第2場を清宮秀高先生の演出で、衣装・装置付の本格的な舞台を演奏するというものであった。
  大岩さんとバトゥルキンさんはこのコンクールの第1回に入賞されたお二人である。もう既にコンクール後各地で活躍されていらっしゃって、今回の演奏は言わば里帰り公演というべきもので、本当に力演だった。特に大岩さんとは蝶々さんやアリアで歌われたミミ(ボエーム)の演奏解釈をめぐって、本当に納得がいくまで話し合った上で演奏することが出来て、とても楽しかった。永井さん福井さんについてはもう言うまでもなく日本を代表するオペラ歌手のお二人で、今回の共演は本当に光栄だった。今まで演奏を聞かせていただく機会は多々あったが、実際に御一緒できたことが何よりもうれしいことである。舞台上のお二人からは豊かな音楽やすばらしい技巧を感じられるばかりではなく、プロ歌手としての確かさや数多くの経験に培われたであろう舞台人としての他の人にはない世界を見せられるかのようで、そのお二人と“僕のやりたかった”プッチーニの音楽を実現させてもらったことは、何よりの財産になった気がする。
  いまやスズキと言えば永井さん自身の一番の持ち役と言うだけでなく、永井さんこそが日本を代表するスズキ歌いであると言えるであろう。その永井さんが「このスズキって役にめぐり会えたことって本当に幸せ・・・この役自体が私をスズキに変えてくれるの!」とおっしゃっていたことはとても印象深かった。楽曲を演奏するということはその位深く追求していくことなんだなぁと改めて考えさせられた。

(※写真は左から永井和子さん、大岩千穂さん、アンドレイ・バトゥルキンさん、福井敬さん、 増野真佐美さん)